総務とは?どのような職業なのか
『総務とは?』そう問われた時、あなたは何と答えますか?
勤怠を管理してくれる、給与を計算してくれる、年末調整の対応をしてくれる、よくわからないけど色々と雑務をしてくれる・・・
そんなイメージではないでしょうか。
今回は、総務職の人以外はあまり馴染みのない総務という職業を紹介します。
目次
1.総務とは?
総務とは、「人」・「モノ」・「お金」を管理し、従業員の「Work(仕事)」と「Life(生活)」をどのように充実させていくかを常に考え実行していく部署となります。
会社の規模により、大企業ではその役割が細かく分業されており、中小企業においては多岐に渡り様々なことを担う場合もあります。
時には従業員のプライベートに深く関わる事もあり、又、会社としての決定事項を通達する役目もあることから精神的な疲労は大きいと思われます。
しかしながら他部署からは「お金を生まない部署」というレッテルを貼られている場合も多々あり、なんとも言えない想いを抱えている方もいるのではないでしょうか。
一方では、昨今叫ばれている「コンプライアンス」という側面からも総務の占める割合は大きく、総務により企業の在り方が大きく左右されることもあります。
総務は会社の根幹を担う部署であるという自負を持ち、法令に則った上で会社・従業員のことを考え行動します。
『家族』『お金』『健康』・・・本来は従業員の近しい人しか知りえない情報を総務は知ることになります。常に冷静に客観的な対応を心掛けましょう!
2.総務職の実務とは?
実際に総務は何をするのか。
従業員の勤怠管理
従業員の出勤や退勤等の出勤状況を管理します。残業代の未払いや有給の5日未取得など法令違反にならないよう、従業員一人一人の就業状況を正確に把握する必要があります。
消耗品・機器管理
会社で使用する物品を管理します。PCや電話機、コピー機等の機器はもちろん、ボールペンやノート等の事務用品、さらにはペーパータオルやトイレットペーパー等の消耗品まで管理するモノは多岐に渡ります。
人事
従業員の処遇に関わる判断・決定を行います。採用から契約の更新、給与・賞与の評価、要は『人』に対する最終的な手続きや処理を行います。
イベントの企画運営
新年会・忘年会のお店の予約から打ち合わせ、司会進行。創立記念日の催し。BBQやレクレーションの準備。社員旅行や海外研修の手配。これらは総務が中心となり対応します。
コンプライアンス対応
ハラスメントや法令違反等の通報制度を整備し、通報があった際には予め策定した手順に従って対応していきます。企業によっては、総務とは別にコンプライアンス委員を設置し解決にあたる場合もあるかと思われます。
社内・社外広報
社内の情報共有や経営陣の考えを従業員へ伝える活動、具体的には社報や掲示物等による社内広報、又、自社の製品やサービスを幅広く知らしめる活動、自社のウェブサイト等を使用しての社外広報を行います。
ここ数年、『御社はホームページはないのですか?』との問い合わせが多く、外部に見積もりをしてもらったところ100万以上!?ってことで自らサイトを作成しております。これも社外広報ですね。
3.職業総務の必要スキルとは?
総務の必要スキルとして、PCスキルやコミュニケーション能力等、よく目にしますが、これらは至極当然のことだと思われます。
コミュニケーション能力
総務の仕事内容からすると、社内の人はもちろん社外の人との関わりは必ず発生します。そこでコミュニケーションが苦手という方には、総務という職業は不向きとなりますし、そもそも総務として採用されることも難しいのではないでしょうか。
PCスキル
PCスキルですが、こちらにおいてはオフィスソフト等の使用経験があまりない方でも実務経験の中で飛躍的にスキルは伸びます。
前提として本人のやる気は絶対になりますが、こちらは必要スキルというより身につくスキルと言った方が良いかもしれません。繰り返しになりますが、あくまで本人のやる気次第です。
只、企業により募集要項に記載されている場合も多く、今後は必要スキルというより記載されるまでもない当たり前のものになるのではないでしょうか。
それは何故か、昨今の教育の中でPCに触れる機会はひと昔前に比べ格段に増えており、小学生からPCの授業があります。また、コロナ禍によりノートPCを1人1台貸し出している学校も多くあり、現状も相まって子供たちのPCスキルは向上していくものと予想されます。
学校教育の中で、エクセルやワードを使用してデータでの課題提出となる日も近いのではないでしょうか。
竹うまが大学生時代の遥か昔、ある講義で教授が「今回の課題は、エクセルでまとめて私宛にメールで送って下さい」と言われ???となった記憶がございます。あの頃は何も知らなかった・・・
法の知識
そして、こちらも重要なスキルのひとつとなりますが、『法令の知識を常に学び続ける事』ではないでしょうか。総務の業務を行う上で関連する法律は多くあります。
まずは『労働基準法』。こちらは賃金や労働時間、有給などの労働条件における最低基準を定め、従業員と使用者の間で不利益が発生しないように定めた法律となります。
また、小さなお子様がいる方やご家族に介護が必要としている方などに関連する『育児介護休業法』や派遣を利用されている企業・派遣元も『労働者派遣法』の知識がないとトラブルになる可能性があります。
法改正により『就業規則』の見直しが必要になる場合もあり、もう何年も就業規則をアップデートしてない!?そんな企業は現在の法律に対応出来ておりません。
その他にも様々の法律の元、企業は運営されております。総務は他部署よりも特に『法令順守』を念頭に置くことが大事になります。
ネットワーク関係の知識
ネットワーク関係の知識が絶対に必要かと問われると即答は難しいところではあります。
社内のネットワーク環境の構築や、プリンターの設定、サーバーの管理は、企業として必要になります。最近では、リモート会議の場も増えており他社との会議のセッティングも必要になりつつあります。他部署で詳しい人がいる場合はお願いする事になりますが、最悪いない場合は外部へ依頼することになります。
ネットワーク知識があれば、トラブルにも即対応ができ、無駄なお金を使う必要はなくります。
思考力・行動力
最後にもうひとつ。企業において全従業員が働きやすい環境をつくるための物質的な『環境整備』と健やかな状態で働けるようにする精神的な『メンタルヘルスケア』。これらに対し、真摯に取り組んで行く『思考力』と『行動力』が総務の必要なスキルになります。
環境整備においては、会社にある「自販機のジュースのラインナップに飽きたからどうにかして!」、「トイレの水の出が悪い!」、「更衣室がせまい!」、「〇〇〇が壊れたから何とかしてくれ!」多種多様な要望が従業員から上がってきます。又、過重労働や労働災害の防止にも取り組む必要があり、各部署が適正な人員で構成されているのか常に目を配る必要があります。
ある日の朝、『竹うまさ~ん!!』と一人の従業員が駆け込んで来て何事かと思いきや、『べ、便器の水が流れず溢れましたぁ~!!』とのこと。スッポンを持って急行しました。
そして、最もデリケートな部分となるメンタルに関して。こちらは従業員に対し常に目を配る必要があります。これはさすがに総務だけでは難しいので各部署の責任者から連絡を受ける体制が必要となります。
個人のプライベートな部分に立ち入ることは出来ませんが、会社内での事は本人の同意を得て対応が必要となります。明確な答えがある事ばかりではありませんが、真摯に向き合い対応する力が総務として必要なスキルになるのではないでしょうか。
4.総務の役割とは?
結局のところ総務の役割は何なのか?
旧態依然とした企業においては、雑務をやらせておけば良いという考えがあるのかもしれません。
基本的には何でもやるのが総務という考えは間違いではありません。
では、何のために様々なことをするのかを総務自身が自覚と意識する必要があるのではないでしょうか。
現代における総務の役割としては、コンプライアンスを常に意識し、環境整備やメンタルヘルスケアの為に思考・行動し、会社の経営を最高のコンデションに仕上げる事が役割となるのではないでしょうか。
会社としての在り方は総務が担っています。
『お金を生まない部署』そんな言葉は気にする必要なし!!総務という職業にプライドを。
5.これから総務を目指す人へ
これから総務を目指す人へ。
コミュニケーション能力やPCスキルはもちろん必要になります。
総務職に役立つ資格も様々なものがあります。
『オフィススペシャリスト』、『簿記』、『ビジネスキャリア検定』・・・
それらを勉強し資格を取ることは総務として役立ちます。
しかしながら総務の本質としては、他者の為に『考え』・『悩み』・『行動』することではないでしょうか。
人の為に何かしたい!人の役に立ちたい!人の助けとなりたい!
そんな想いこそが総務としての第一歩になります。